早くから本州と深い関わりを持ってきた福島町には、長い歴史に裏打ちされた郷土芸能と、古式ゆかしいお祭りが数多く息づいています。
町の人々によって大切に守られてきたこれらの文化に、歴史のロマンと福島っ子のパワーを感じてみてください。


歳月を超えて語りかけてくる感動

福島町の秋を彩る代表的な祭り「福島大神宮例祭」が、毎年9月14日〜16日の3日間行われます。古式ゆかしい大名行列、奴行列、四ヶ散米(しかさご)行列、更に町内会の山車10数台が町中を練り歩き、華やかな迫力に感動させられます。まるで江戸時代にトリップしたようですよ!



◆大名行列
天正2年(1574)に福島神明社(現在の福島大神宮)が再建された時に、移入導入された都の文化に蝦夷地特有の手振りが加味された、創作の神事祭礼が行われるようになったのがはじまりと言われています。
祭例行列は明治中頃より次第に整備される様になり、明治30年の例祭時に行列帳を作成し今日の形態となりました。


◆四ヶ散米行列
17世紀半ば、蝦夷(アイヌ)による暴動が2度起こりました。松前藩では藩の家老が筆頭となり、福島村名主であった戸門治兵衛らを従えこれらを鎮定しました。
そしてその後、武運長久を願い蝦夷鎮定を表す神楽舞曲として「四ヶ散米」が作られました。
福島大神宮例祭では道祓いの神事として主要な演目となっており、戸門家に縁のある塩釜地区の氏子の方々によって現在まで伝承されています。

◆奴行列
松前藩公の行列を格調高く表現した舞いで、松前神楽の「行列の曲」に合わせて掛声とともに行進が行われる登城の儀式奴です。
奴役は長年松前藩にお仕えしていた永井家に縁のある日向地区の氏子の方々によって代々受け継がれています。



ここ福島は、蝦夷地方初舞の神楽として知られ、北海道の無形文化財にも指定されている松前神楽の発祥地。
寛文2年(1662)頃に国中を覆った暗雲の霧消を祈願して福島神明社(現在の福島大神宮)で神楽奉納をしたのが松前神楽のはじまりと伝えられています。



七月上旬に行なわれる白符七夕祭りのほか、町のお祭りやイベントで観光客にも人気が高い白符荒馬踊り。開拓期の松前藩による蝦夷地領定の武威を表現したと伝えられています。
「荒馬踊り」「棒振り踊り」「きね振り踊り」「ヤセヤセ舞」の4種類で構成された踊りは、松前神楽の七穴竜笛を用い、津軽ねぷたによく似た音曲を奏でながら、馬に乗って戦いと勝利を舞い、その姿は大変勇壮です。昭和43年には町の無形民俗文化財に指定されました。



初夢でもお馴染みの布袋さま、恵比須さま、大黒さま等の七福神が、この世の悪を追い払い、大漁と五穀豊穣・家内安全を願って踊る、ユーモアたっぷり、だけどとっても縁起の良い楽しい舞です。